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タバコを吸って、なにが悪い!

 

 禁煙運動は、いまやヒステリックなほどの高まりを見せ、喫煙者は肩身の狭い思いどころか、吸う場所をみつけるのも困難な状況になっています。

 でも、タバコを吸う吸わないって、本来個人個人が自由に決めればいいことじゃないでしょうか。

 「タバコは健康に悪い」っていうけれど、健康って人様からとやかく言われなきゃいけないような至上価値でしょうか。

 世の中には、太く短く生きて、瞬間瞬間を楽しく生きたい人だっているし、それはそれでいいんじゃないでしょうか。

 興味のある方は、ぜひご一読ください。

中嶋 聡著「ブルマーはなぜ消えたのか--セクハラと心の傷の文化を問う」から抜粋

 

第7章 タバコと禁煙運動

 

 私は18歳の頃から、大学を卒業して医師になる直前の24歳の頃まで、タバコを吸っていた。

 最近は未成年者の飲酒や喫煙にえらくうるさく、最近もプロ野球にドラフト指名された高校生が卒業直前にタバコを吸っているところを写真週刊誌にスッパ抜かれ、社会問題になった。

 もっともこの場合はまだ身分上高校生であったということが大きかったようであるが。

 またアナウンサーが未成年(18歳)のタレントを呼びだして酒を飲ませた、ということが問題になった。

 しかし私の頃は、少なくとも大学に入ったらタバコを吸うのも、コンパで酒を飲むのも、問題にする人は誰もいなかった。辺縁だったのである。もっともこの辺縁は今でもある程度は生きているのではないかと想像するが。

 だから、タバコのおいしさ、気持ちの良さ、というものは体験してわかっているつもりである。

 食事のあとの一服、お酒を飲んでいるときのタバコは、格別である。

 私は、禁煙して25年も経つ今でも、タバコのおいしさをまざまざと思い出すことができる。

 「5日でタバコをやめる本」(林高春著、カッパブックス)というのがあり、その助けも借りて禁煙したのだが、5日経ったらタバコをほしくなくなるのかと思ったらそんなことはなかった。

 たしかにある程度の区切りにはなったが、1ヶ月経っても吸いたい衝動はよく起こった。

 それがほぼなくなったのは禁煙して1年くらい経った頃である。

 ほぼなくなったといっても、「吸ってしまった、しまった」という内容の夢は3年くらい見ていたし、いまでもタバコを吸っている人を見ると、「いいなあ、気持ちいいよなあ」という気持ちは、かすかではあるが起こるのである。

 人はタバコを、なんのために吸うのだろうか。

 「なんのため」と聞かれたら、おそらく聞かれた人はとまどうだろう。

 あえて答えを求めれば、「なんのため?、気持ちいいからさ」とか「別に理由なんかないよ」と答えるのではないだろうか。

 おそらく、「なんのため」という質問がピントはずれなのである。

 人の営みの中には、「なんのため」とはいえないものがあるのである。

 

(中略)


  現代においては、「健康」が金科玉条のように扱われている。

 しかし個人個人のレベルで考えるとき、健康をどの程度重視するかはそれぞれの個人の自由である。

 「一切の不摂生をせず、長生きできるよう注意していく」という人もいれば、「俺は長生きするためなんかに楽しみを犠牲にしたくない。太く短く生きるんだ」という人がいてもいい。

 「健康のために努力するのは当然のことだ」という考え方が、当然の価値観として個人個人に押しつけられるなら、まったくお節介なことである。

 ついでながら、テレビを見ていると「公共広告機構(AC)」というところが「子育てをしない男を、父親とは呼ばない」などと、国民に説教してある価値観を押しつけるようなCM(?)を流しているが、これもまったくお節介なことである。

 

(後略)

 

 

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